【腰部】腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症とは?

背骨の中で腰の部分、腰椎においてその中を通る神経が入っている管(脊柱管といいます)が部分的に狭くなり、神経が圧迫されて、下肢のしびれ、疼痛、歩行障害などをきたすようになった状態を腰部脊柱管狭窄症といい、通常多くは加齢の変化に伴う骨の増殖(上関節突起の増殖)、靭帯の肥厚(黄色靭帯の肥厚)などが狭窄の原因となっています。また腰椎の中で部分的に前後方向に緩みがあるような場合(不安定性がある場合)には腰を曲げたり伸ばしたりする動きによって狭窄が出現することもあります。

症状

代表的な症状としては、下肢のしびれ、下肢痛、間欠性跛行が挙げられます。腰椎部の脊柱管には通常脊髄の枝である馬尾神経と、その枝である神経根が入っており、狭窄部で馬尾神経および神経根が圧迫されることで、下肢にしびれ、あるいは放散痛が出現し、またある程度の距離を歩いているとだんだん足が前に出なくなり、立ち止まって休憩するようになる、いわゆる間欠性跛行が出現するようになります。また腰部脊柱管狭窄症では腰椎を伸展(背筋を伸ばす)すると狭窄は強くなり腰を曲げると狭窄は緩みます。そのためまっすぐに背筋を伸ばした状態で立っているとだんだん足がしびれてくるようになります。

治療

腰部脊柱管狭窄による下肢のしびれがあっても日常生活での動作で特に問題がない場合は、必ずしも直ちに治療が必要というわけではありません。症状が高度でなく、日常生活での支障があまりない場合はまずは薬物療法で経過をみます。腰部脊柱管狭窄症に対する薬物療法としては狭窄部で圧迫されている神経の血流を改善する目的でプロスタグランディンE1製剤、および末梢神経の状態を改善する目的でビタミンB12製剤を投与します。

狭窄がある程度以上高度で下肢のしびれが強い場合、下肢痛が強い場合、また間欠性跛行が高度な場合、すなわち日常生活での支障が大きい場合は手術的加療を検討します。狭窄部で神経組織が圧迫されている場合、狭窄を解除し神経への圧迫を除去すると症状は良好に改善することが期待されます。全身麻酔で腰の後ろから腰椎を展開し狭窄の原因となっている厚くなった黄色靭帯、および骨増殖した上関節突起の内側部などを切除することで神経の圧迫を除去することができます(後方除圧術)。また狭窄部位で椎間に不安定性がある場合は除圧後に椎間を固定することで不安定性をなくすことができます。