手のひら(手掌)の皮膚を移動しにくくしているのは、皮下にある線維性の手掌腱膜(しゅしょうけんまく)というのものです。これにより、皮膚が移動しにくいので、物が握りやすくなっています。
前腕の屈側中央を走る長掌筋腱(ちょうしょうきんけん)という腱移植(他の腱の不足したところに腱を橋渡しする)に良く利用される腱と手掌腱膜はつながっていて、手掌では、各指に向かって扇状に広がっています。
症状
手掌から指にかけて硬結(こぶのようなもの)ができ、皮膚がひきつれて徐々に伸ばしにくくなります。薬指(環指)、小指に多く見られますが、他の指や足の裏にもできることがあります。痛みや腫れなどはありません。
原因と病態
原因
詳しい原因は不明です。高齢男性、糖尿病患者に多く見られます。一説には手掌腱膜への小外傷の繰り返しで生じるのではないかと考えられています。
病態
手掌腱膜と皮膚の異常です。指を曲げる腱が浮き上がっているように触れるかもしれませんが、それは手掌腱膜が肥厚し退縮したものです。指を曲げる屈筋腱は正常で、異常はありません。